職人の頭がおかしいと思われる原因3つ!決して頭が悪いわけではない!

職人の頭がおかしいと思われる原因3つ!決して頭が悪いわけではない! 職人コラム
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「職人 〇〇」と検索しようとすると、様々なネガティブな言葉の掛け合わせが関連ワードとして出てきます。

本記事のテーマである「職人 頭がおかしい」というキーワードも、そのネガティブな言葉の掛け合わせのひとつです。

元職人Y
元職人Y
正直言って憤慨しています…!

工事現場で働く職人のイメージが悪いことは建設業における昔からの課題ですが、ここまでストレートな風評被害が数多くあることには元職人として思うところがあります。

本記事では、なぜ世間の人々が職人に対してそういったイメージを抱くのかを解説しつつ、元職人として職人は頭が悪いわけではないということを弁明させていただきます。

職人の頭がおかしいと思われる3つの原因

建設業における職人の頭がおかしいと思われる原因は、「モラルの低さ」「ホワイトカラーからの偏見」「学歴不問の業種ゆえの勘違い」の3つです。

以下よりそれぞれ詳しく解説します。

公共の場での大声や歩きタバコなどモラルに欠ける

まず1つ目が、公共の場で大声を出したり、周囲に構わず歩きタバコをしたりするモラルの低さです。

元職人Y
元職人Y
この点に関しては、残念ながら職人側に過失がありますね…

最近は大手ゼネコンなどが改革を進めているため、だいぶ改善されてきましたが、以前の建設現場やその周辺は職人が何をしても注意されないような無秩序な労働環境でした。

そのため職人も、周囲に一般人がいる中で堂々と歩きタバコをしたり、現場内と変わらない声量で会話をしたりといったモラルの欠ける行動について、「今までやっていたのに何が悪いの?」と慣れてしまっていることが多々あります。

そういった、一般人からしたらモラルの低い行動・言動が目立つことで、「職人って頭がおかしいんだ」と判断されてしまうことがまずひとつです。

ホワイトカラーの仕事から見下されている

ホワイトカラー(デスクワーク)の仕事から見た時、建設現場の職人がおこなう仕事は「辛くてキツくて危ない仕事」です。

その観点から「なんであんな仕事やっているの?」と考えて、結果として「頭おかしいんじゃないの?」「馬鹿だからあの仕事以外できないんだ」と勝手に見下されることもあります。

元職人Y
元職人Y
理解できないこと=おかしいことと判断されてしまうんですね…

誠に遺憾でありますが、そのように見下されて頭がおかしいという烙印を押されているケースもあるのです。

低学歴=頭が悪い=頭がおかしいと曲解される

建設現場の職人の多くは学歴不問であるため、学歴があまり高くない人も集まりやすい傾向にあります。

そこから職人=低学歴だと判断されて、さらに低学歴=頭が良くない=頭おかしいと曲解する人もいます。

よくよく考えれば分かることですが、頭が悪い頭がおかしい全くの別物です。また頭の良し悪しも学校の成績だけでなく、地頭の良さなどで考えた場合、低学歴=頭が悪いとは断定できません。

元職人Y
元職人Y
もっと言うと、職人=低学歴しかいないというイメージも、実は間違っています。

職人=低学歴ではない!頭の良い職人も多くいる

職人=低学歴ではない!頭の良い職人も多くいる

ごく稀に「職人やってるの?じゃあそんなに頭良くないんだ」なんて、すごく失礼な偏見を持っている人がいます。

製造業・建設業は学歴不問である企業も多いため、中卒や高卒の人が集まりやすい傾向にあることは確かなのですが、かといって全員が低学歴と考えるのは浅はかだとしか言えません。

職人においても高学歴な人は多く、実際に筆者が職人をやっていた頃にも、有名大学を卒業して色々経験した結果、職人の道を選んだ人がいました。

またなかには、学歴を考慮して職人を雇用する企業も存在しています。

その最たる例としては、高学歴の人員を設計・職人として採用し、ハイレベルな施工を一貫しておこなう平成建設が挙げられるでしょう。[注1]

そのように、職人が低学歴で頭が悪いというのは大きな偏見なのです。

元職人Y
元職人Y
そもそも学歴でなく「地頭の良さ」であれば、職人に頭の良い人は沢山います。全ての建造物は、現場ごとに違った環境のなかで職人たちが試行錯誤を重ねて作り上げたものだと忘れないでいただければ幸いです!

[注1] 平成建設

【実体験】本当に頭がおかしい職人も一定数いる

ここまでフォローをしてきたものの、実際のところ頭がおかしい職人も一定数存在しています

理由としては、一般企業であれば慎重な面接や独自の適正テストによって弾かれるであろう「ヤバめな人」でも働けてしまう雇用環境によるところが大きいです。

実際に筆者が職人だった頃も、頭がおかしいと指をさされても仕方がない職人はいました…!

筆者でさえ頭がおかしいと感じた職人のなかでも、ひときわ強く記憶に残っているのが、まだ筆者が駆け出し3年目くらいのころに初めてできた後輩のA君です。

A君は上も下も歯がボロボロで、初めて会ったときから「あ、こいつヤバいやつだ」と感じた逸材でした。

ある日、親方からA君を面倒みろと言われて、広い現場の中で2人で行動をしていると、A君がなにやらブツブツ呟いていました。

最初は無視していたものの根負けして「どうした?」と聞いてみると、A君は「〇〇(筆者の名前)さんの歌を歌ってました」と満面の笑顔で述べます。

ちなみにその時はもちろん仕事中で、ブツブツ言っている間も筆者はAくんに仕事を教えていました。それなのに歌を歌っていたとの発言にピキっときたため、A君に「ちゃんと今まで教えたこと覚えてる?」と聞いたところ、思いもよらない発言が帰ってきました。

ヤバめなA君
ヤバめなA君
あぁ…忘れちゃったので、後で絵に書いて説明してほしいです!!

…冷静になれと自分に言い聞かせつつも、ここまできてどうしても気になったことをA君に聞きます。

元職人Y
元職人Y
変なこと聞くけど、俺とA君どっちの立場が上かは分かってる?
ヤバめなA君
ヤバめなA君
はい!僕です!!(ニカッ)

そのようにAくんは、元気よく返事をしました。「よく考えて、どっちが上かを聞いているんだよ?」と聞き直すと「あぁ!〇〇さんですぅ!!」と訂正してきましたが、その後5分くらいするともうすっかりリセットされたのか先程と同じようにブツブツ呟きはじめます。

それ以外にも、他の工務店の職人にいきなり怒鳴ったり、宴会の場で絡んでくる先輩の顔に焼き鳥の串を刺したりなど、恐怖を感じる奇行を多くしていたAくんですが、筆者が辞めたあともまだ現役で働いています。

頭がおかしいなんて言われないように職人として節度ある言動を!

頭がおかしいなんて言われないように職人として節度ある言動を!

「現場は生き物」だと言われるほど、建設現場は思い通りにいかないものです。

そんな現場を上手く進めて納めるためには、ある程度の大胆さ・豪胆さが必要であり、そこが建設業界以外の人達からみて理解できず、頭がおかしいと思われてしまうのかもしれません。

ただ良いものを作るためには、そういった面も職人として欠かせないのです。そのような職人気質ともいえる職人独特の点を「頭がおかしい」という言葉で片づけてしまう人達は、一生相容れない存在なのかもしれません。

それ以外の人達に向けて節度ある行動・言動を心掛けて、職人は頭がおかしいなんて悪いイメージを払拭していきましょう。

この記事を書いた人
元職人Y

神奈川県横浜市生まれの30代前半の男
5年ほど型枠大工として活動
玉掛けやクレーン操縦など、現場職に必要不可欠な資格を多数保有
現在はWeb系の仕事へ転身し、建設業についてのリアルな情報を発信して認知度向上とイメージ改善に努める

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