一般企業の正社員と異なり、現場の職人は仕事が途絶えて強制的に休みになることが多々あります。
また、2020年はコロナウイルス感染拡大防止の策として、大手ゼネコンが500ヶ所の現場を閉所しました。
出典:「緊急事態宣言」の対象地域拡大を受けた当社の対応について|清水建設株式会社
こちらも一般企業であれば通勤を無くし、テレワークに切り替えられたでしょう。
つまり職人は、他の職業と比較して「仕事がない」という状況に陥りやすいのです。
職人といえば、働いた日数分が月のお給料となる「日給月給制」の職業なので、休みが多いと生活に支障をきたします。
本記事では元職人である筆者が、仕事がないときに食いつなぐための方法5つと、普段から行うべき対策を4つ紹介します。
本当に仕事がないときの職人が食い繋ぐための5つの逃げ道
仕事が無いからといって、自堕落に過ごしているだけではいけません。
仕事がない職人が食いつなぐための逃げ道を5つ、以下より紹介します。
【コロナ渦限定】持続化給付金を利用する
本記事冒頭でも紹介したように、2020年のコロナウイルス感染拡大によって職が途絶えた方も多くいます。
そういった方々はまず、持続化給付金を受け取れるよう動いてください。
コロナウイルスによって収入が減っていることが明確であれば、個人事業主で最大100万円、法人であれば最大200万円を受けられます。
以下表の書類を揃えて、ネットから申し込みましょう。
個人事業主の場合 | 法人の場合 |
---|---|
・本人確認書類 ・2019年確定申告書類の控え ・減収月の事業収入額を示した帳簿 |
・法人の番号 ・2019年確定申告書類の控え ・減収月の事業収入額を示した帳簿 |
参考:持続化給付金
職人専用の掲示板で仕事を探す
ほとんどの職人は、馴染みの工務店やゼネコンから仕事を継続的に紹介してもらっており、仕事をくれる相手=いつも同じ人(会社)です。
ですが仕事がないときは柔軟に、いつも仕事を請けているルート以外での仕事を探すことも検討すべきでしょう。
職人専用の掲示板では、エリアごとに必要とする職種を個人や企業が募集しています。
自分に合う職種の募集に応募して、新たな収入源を確保してみてください。
個人事業主専用のファクタリングを利用する
仕事が終わって後々入金されるのに、今を生活するためのお金が足りないという場合、便利なのが個人事業主専用のファクタリングです。
業務が完了したことの証明ができて、請求書が手元にあれば、取引先から貰う予定の報酬を前払いしてもらえます。
手数料も3%ほどで安く即日払いも可能なため、ギリギリまで粘ってダメだったときの手段として有用です。
スケジューリングしやすい副業を行う
いつ仕事の依頼が来ても大丈夫なように、確実に仕事がない期間のみを狙った副業をすることもおすすめです。
ただ一般的なアルバイトの場合、不定期かつ短期で雇用されることはありません。
また日払いのバイトも条件の良いものは取り合いになるため、安定した収入とするのは難しいでしょう。
そんななかで筆者のおすすめは、仕事がない期間まるまるを使った治験モニターをすることです。
期間中、毎日決まった生活や診察をしているだけで、終わったときに十数万円ほどの協力費を受けられます。
登録や診断は無料であるので、転ばぬ先の杖として登録してみるのもよいでしょう。
クラウドソーシングサービスで出来そうな仕事を探す
ランサーズやクラウドワークスなど、クラウドソーシングサービスに登録して「特技を売る」方法もあります。
職人だからといって、現場作業以外なにもできないなんてことはないです。
文章を書くのが得意ならばライティング、カメラに詳しいなら写真撮影など、さまざまな方向で自分にできそうなものを探してみましょう。
ちなみにおすすめはライティングの仕事です。
理由としては資格や機材がとくに必要ないことと、誰でもスキルアップしやすいことが挙げられます。
実績や経験がないため、最初は採用されずに苦労するかもしれませんが、積極的に申し込み経験を積んでいきましょう。
関連記事:クラウドワークスで採用されない人の特徴
仕事がないときを想定して普段から職人が行うべき4つのこと
「いつ仕事がなくなるかわからない」と自覚して、事前に準備をしておくことで。仕事がないときの対応はよりスムーズになります。
仕事がないときを想定して、普段から行うべき4つの準備を紹介します。
さまざまな職種に対応しておく
鳶なら足場、大工なら型枠と、やるべき作業は決まっています。
その領分を広げてさまざまな職種で働けるようにしておくことで、仕事がないときも別職種の応援として働き続けられるでしょう。
実際に筆者も、型枠大工以外に鳶や解体屋の仕事を覚えて、仕事がないときはそっちで生計をたてていました。
一本に集中して極めることも大切ですが、別職種の仕事を覚えれば現場の流れなどを理解できて、結果的に本職にも活かせます。
頑なにならず、普段から柔軟に知識を取り入れておきましょう。
職人や建設関連業者とのコネを作る
普段から自身の工務店以外の職人や、応援先で出会った関連業者とのコネを作っておくことで、仕事がないときに応援の打診ができます。
よって他の工務店の親方や、応援先の現場監督などとは、積極的に話しておきましょう。
たしかに建設業界が暇な時期はありますが、そんななかでも仕事があるところにはあります。
「仕事がありませんか?」と聞ける先を一つでも多く持っておくことで、仕事がないときの安心感が変わるでしょう。
仕事の流入経路を複数確保しておく
上述したとおり建設業の職人は、馴染みの工務店やゼネコンが決まっていて、そこから仕事を請けていることがほとんどです。
その流入経路を、仕事がないときを想定して増やしておきましょう。
馴染みの工務店やゼネコンから仕事がストップされたときでも、別の経路からは仕事を取ってこられるかもしれません。
在宅ワークを勉強する
最終手段である「職人以外の仕事をする」ことを想定して、在宅ワークの勉強も検討しましょう。
上述したとおりライティングなら、勉強もしやすいためおすすめです。
自分で何かを説明する文章を書いてみて、読みづらいところを添削していくだけでも、十分ライティング能力を鍛えられます。
また職人であれば、CADで図面を書く仕事もオススメです。そのように、自分に適した在宅ワークをひとつ、用意しておくと良いでしょう。
どうにか稼いで職人のまま生き残ろう
以上で職人の仕事がないときの逃げ道と、普段から行うべき準備の紹介を終わります。
職人は青空の下で気持ちよく働ける魅力的な仕事ですが、本記事で説明したとおり仕事がない状況に見舞われることも多いです。
そのような時期でも無理のないようにしっかりと食い繋いで、仕事ができたときに現場へすぐ戻れるようにしておきましょう。
仕事がない辛い時期を乗り越えて職人を続けるために、本記事が役立つと幸いです。