汗水を流し、匠の技を駆使して自分が住む住宅を手掛けてくれている職人さんに対して、「何か差し入れをしたいな」と考える人は多いでしょう。
一番お手軽で人を選ばないのが、「お茶出し」という飲み物を差し入れることですが、建設業界にあまり詳しくない場合、そもそもお茶出しはしても大丈夫なのか?と不安になりますよね。
本記事では職人さんへのお茶出しの必要性や、お茶出しをする時のポイント・注意点を紹介します。

そもそもお茶出しとは?何をすればいい?

そのように考える人もいるかもしれませんが、お茶出しとは平たく言えば「職人さんへの差し入れ」のことです。
よって差し入れる物がお茶以外の、コーヒーやジュースでも構いません。
昔は家屋の補修などに来てくれた職人さんへ、「どうぞ一休みしてください」と家主が言ってお茶やお菓子を出し、職人と世間話をする…なんてことがよくありました。
その名残として、職人さんへ何かを差し入れる風習が残っているのです。
職人さんへのお茶出しはマナー違反ではない!
職人さんへのお茶出しですが、とくに禁止されているわけではありません。
ただお茶出しのシチュエーションには、補修などで自宅に職人さんが来ている場合と、建築中の注文住宅など今の自宅でない場所で職人さんが作業している場合の2種類あります。
前者であれば何も問題ないのですが、後者の場合はアポ無しでいきなり行くと、工務店やメーカーから少し嫌な顔をされてしまうかもしれませんので、必ず前もって「〇日の〇時頃に職人さんに差し入れをしたい」など伝えておきましょう。
サプライズで喜ばせたい、気まぐれでお茶出ししたくなったという人もいるかもしれませんが、いきなり顔を出すと面白く思われないかもしれませんので、注意してください。
職人さんへのお茶出し=やる気向上につながる
職人さんへお茶出しをするメリットとしては、職人さんのやる気が出ることが第一に挙げられるでしょう。
やはりお茶出しをしてもらうと応援されていると感じて嬉しくなり、「良い施主さんのために良い物を作らないと」とやる気がでます。
もちろん、「お茶出しをしてくれないから手を抜こう」なんて考える職人はいないのですが、お茶出しをすることは確実にプラスに働くため、どうしようか迷っている人はぜひ実施してみてください。
職人さんへお茶出しをする時のポイント
職人さんへお茶出しをする際は、「お茶出しをする時間」と「作業している時期」の2つに着目しましょう。
まずお茶出しをする時間ですが、基本的には10時か15時のどちらかです。
職人には一服と呼ばれる30分ほどの休憩が、10時と15時にそれぞれあります。1時間のお昼休みもあるのですが、お昼休みはご飯を食べてすぐに昼寝したいと考えている職人も多いため、お茶出しをするなら10時か15時の一服のタイミングを狙うべきです。
また時間ピッタリでなく、10分前くらいを目掛けて行くとよいでしょう。なぜなら職人によっては、一服の時間が近づいてくると若い衆に「もうすぐ一服だから、全員分の飲み物を買ってこい」と言って、先行して買わせに行くケースもあるからです。
飲み物がダブルブッキングすると、余ったものが温くなってしまうため、最大限喜んでほしいのなら時間について意識すべきだといえます。
次に作業している時期についてですが、単純に寒い時は温かいコーヒーやお茶を、暑いときは冷たいジュースやコーヒーを選ぶというものです。
夏ならば、飲み物でなくアイスをお茶出しとして差し入れするのもよいでしょう。
とくに職人さんは夏場になると、氷をたくさん入れた10リットルくらいの水筒を、熱中症や脱水症状対策として持ち込んでいるケースもあります。
よって夏場は飲み物よりも、アイスを買っていったほうが喜ばれることも多いです。

職人さんへお茶出しをする時の注意点
アポ無しで訪問する以外の注意点として、職人さんへのお茶出しでは不必要な場所まで侵入しないようにしましょう。
作業中の現場内は素人が歩くには危険ですし、道具や資材でごちゃごちゃしている光景は見る必要はありません。
職人側からしても、突然中に入りたいと言われてヘルメットを用意したり、それで微妙な顔をされたりするのは面白くないでしょう。
お茶出しと同時に見学も兼ねたい場合は、それも事前に工務店やメーカーに伝えておいてください。
職人さんへお茶出しをして良い関係を築こう
職人さんへお茶出しをすることで、従来は無かったはずのコミュニケーションが取れます。
職人さんも「この人たちのためにもっと頑張らなきゃな」と、より一層やる気を出してくれるためおすすめです。
お茶出しをきっかけに良い関係を築くことで、完成する建物の質もより良くなります。