工事現場で働く職人は、季節や天候による影響を強く受ける仕事です。
よって雨の日に休みになることも多いのですが、それは決して「雨だしダルいなぁ、休みにすっか」などと単純な理由ではありません。
職人が雨の日に休みになる理由を、雨の日に仕事をするリスクとともに詳しく解説します。
また元職人の筆者が、雨で休みになった日にオススメな生産性抜群の過ごし方も紹介します。
職人さんが身内にいて、雨の日にダラダラしているのが見過ごせない!という人もぜひ参考にしてください。
目次
雨の日=危険性が高いから職人は休みになる
結論から述べると、職人が雨の日に仕事をするのは危険性が高いので、様々なリスクを回避するために作業を休みにします。
実際に、国土交通省が定めた土木工事安全施工技術指針によっても、雨や風の強い日は労働災害を起こさないために多くの措置を講じられており、建設現場において悪天候というものが注視されていることが伺えます。[注1]
具体的な危険としては視界が悪くなることによる労災リスクの増加や、足元が濡れていることによる高所からの滑落、手元が狂うことによる工具の怪我などが挙げられます。
また単純に、雨の中の作業で風邪をひく恐れもあるでしょう。
職人が雨の日に仕事を休みにすることで、それらのリスクを解消できるのです。
またリスクの面だけでなく、「雨の日にやってもそんなに捗らないだろう」と効率面を重視して、雨の日を休みにするケースも多々あります。
電動工具が壊れる危険性も無視できない点
また地味にキツイのが、雨によって電動工具が壊れてしまうことです。
職人が使う電動工具は安くても1万円台、高いものだと数十万円もするので、雨の日に使って壊れたらシャレになりません。
かといって、現在の工事現場は電動工具という便利な道具ありきで進みます。電動工具を出さずに仕事をするなんて、効率が悪いため実現できないのです。
「電動工具を壊したくない」「電動工具が使えないくらいなら…」といった考えから、雨の日を休みにする職人も多くいます。
工期によっては大雨の日でも構わず仕事をする
ただ実際、工期によっては大雨が降っていようとも職人は作業を敢行します。
実際に筆者も職人だった頃、工期が迫っていたため台風が直撃して雨風が半端じゃない日に仕事をしました。
もちろん、リスクアセスメントの観点から見た場合は完全にNGなのですが、現実問題そういった状況で仕方なく作業をおこなうケースは多々あります。
天災が短期間に集中的に来ている場合はどうしようもないですが、台風が来ることを念頭に置いて普段から余裕を持って作業を進めておくことが重要です。
職人におすすめな雨の日の過ごし方5選
休みの日は寝たり遊んだり、楽で好きなことをするのも良いですが、日当×出勤日数である職人の場合休みになった分お給料が減っているため、ただ自堕落に休んでいるだけでは勿体ないです。
そういった過ごし方は、もともとお休みである日曜日にするとよいでしょう。
本章では職人におすすめな生産性の高い休日の過ごし方を紹介します。
職人が身内にいて、「雨の日にダラダラしているのが見るに堪えない」という方もぜひ参考にしてください。
屋内で技を磨く、勉強をする
職人として大成するためには、将来的に親方や工務店の社長といった「人を使う立場」になる必要があります。
やはり「使われている立場」では稼げる額に限界があり、30代までの若いうちは同年代よりお給料を多く貰えるかもしれませんが、30代・40代となると一般企業の手取りや安定感に追いつけなくなるでしょう。
よって技を磨いたり拾い出しの勉強をしたりなど、将来を見据えた行動を積み重ねて使われる立場から卒業して独立するための力を蓄えることが、雨の日に休みになった職人の過ごし方としておすすめです。
加工場や事務所、自宅などでできることをコツコツと積み重ねて、少しでも早く上の立場を目指しましょう。
電動工具や腰道具の手入れをする
普段の作業中に「やらなきゃなー」と思いつつも、タバコを吸ったりスマホをいじったりして中々できないのが、電動工具のメンテナンスや腰道具の手入れです。
とくに電動工具は定期的にゴミを掃除したり油を差さないと故障しやすいので、優先度は高いといえます。
普段の作業で常に使っていて手入れをする暇が無いからこそ、雨の日の休みを利用して手入れしておきましょう。
道具や工具が長持ちする=買い替えるコストが削減できて、節約にもつながるのでおすすめです。
クラウドソーシングサービスで仕事をする
上述したとおり、職人は休みになるとその分お給料が少なくなるため、休みになった雨の日も経済的な面を考えれば少しでもお金になることをするべきです。
ただ職人は日々の肉体労働で疲れが溜まっており、雨の日に休みになって「家でゆっくりしよう」と考えてしまうのも仕方がないことですので、その場合は自宅にいながらクラウドソーシングサービスで仕事を探してみましょう。
絵を書くのが得意ならイラストの仕事、文章力に自信があるならライターの仕事など、スキマ時間でできる仕事は多くあります。
少しでもお金になることをしたいならば、クラウドソーシングサービスで仕事を探してみてください。
日払いの仕事を入れる
事前に休みになる雨の日が分かるならば、その日に日雇いの仕事を入れることもおすすめです。
クラウドソーシングサービスよりも一回あたりの単価は高いですし、なにより確実にお金が貰えるため安定感があります。
その代わり、引越しや荷降ろしなど雨の日に結局外に出て仕事をするため、工事現場ほどでないものの風邪を引いたり怪我をしたりするリスクがあるので注意しましょう。
病院や役所などまとめて行く
病院や役所など、そのうち済ませようと思っていた用事をまとめて済ませることも、雨の日の過ごし方としておすすめです。
お金になるわけでも、ましてや将来仕事で役に立つわけでもありませんが、雨による休みの日に済ませておくことで、本来それで潰れるはずだった日曜日を空けることができます。
それによって日曜日に家族サービスができるようになったり、日曜日に稼働している現場に出て休んだ分を取り戻せたりと、選択肢が多くなります。
自堕落に過ごすより何倍もマシですので、雨の日に休みになった時はぜひ実践してみてください。
職人におすすめできない雨の日の過ごし方
自堕落に過ごすことはもちろん、雨の日に仕事が休みになったときの過ごし方として、「休んでないフリをしてパチスロに行く」ことはとくにおすすめしません。
所帯持ちながら雨の日に休みになっても家に帰らずそのまま遊びに行く職人は多くいますが、生産性が無いどころか不要なトラブルを呼び込みます。
まず休みの日を仕事と偽ると、日当×出勤によるお給料の額が合わなくなります。また職人の家族は休み=お給料が減ると認識しているため、それをよりにもよって嘘をつきギャンブルをしているなどと知ったら、信頼関係にヒビが入るでしょう。
内緒で行っている背徳感がたまらない、もしくは帰ってワーワー言われるのが嫌など多少気持ちはわかりますが、休みを仕事だと嘘をついてさらにはギャンブルに費やすことは控えましょう。
雨の日も実のあることをするのが大事!
休みになった雨の日は、副業や勉強など実のあることをして費やすことがオススメです。
職人として生きていくためにお金になること、もしくは将来稼ぐための準備をすることで、雨の日も有意義に過ごせるでしょう。
周囲の人の不安を払拭することにもつながるので、休みになった雨の日も仕事モードを完全にオフにせず、職人として生産性の高いことをして過ごしてみてください。