最強の動物について議論をするとき、ライオンやクマなどに並んで名前が挙がるのがゴリラです。
霊長類最強との声もあるゴリラですが、最強と言われるのは握力・知能・筋力の3つが理由です。
ですが実は、ゴリラ最強説を否定する要素も同じく3つあります。
本記事ではゴリラが最強と言われる3つの理由と、最強になり得ない3つの理由について、詳しく解説します。
目次
ゴリラの最強は種類にもよる
ゴリラなら何でも強いというわけではありません。ホッキョクグマは強いですがアライグマは強くないですよね?それはゴリラも一緒で、種類によって強さが違います。
ゴリラの種類は以下表の4種類です。
種類 | 身長 | 体重 | |
---|---|---|---|
ニシ ゴリラ |
ニシローランドゴリラ | 160~180cm | 140kg前後 |
クロスリバーゴリラ | ~180cm | 160kg前後 | |
ヒガシ ゴリラ |
ヒガシローランドゴリラ | ~180cm | 160kg前後 |
マウンテンゴリラ | ~190cm程度 | ~220kg |
この中で一番強いゴリラは、霊長類最大のマウンテンゴリラだと言われています。
サイズ・筋力共に断トツなので、最強のゴリラ=マウンテンゴリラだと考えましょう。
ゴリラ最強説3つの理由
本章のメインである、ゴリラが最強と言われる3つの理由について解説します。
強靭な握力
ゴリラが最強である理由として真っ先に挙がるのが握力の強さです。
ゴリラの握力は平均500kgと言われており、これは百獣の王ライオンの噛む力(約450㎏)よりも強いです。
以下表をご覧ください。
40~50㎏ | 日本の成人男性の平均 アルミ缶を潰せる |
65~80㎏ | リンゴを潰せる |
100㎏前後 | スチール缶を潰せる |
200㎏前後 | チンパンジーの平均 骨を砕くと言われている |
上記表を見れば握力500㎏がどれだけ脅威か分かりますよね。
そもそも物を握るということができない動物も多くいます。その中でゴリラは異常な握力を両手に兼ね備えているので、最強と言われるのです。
高い知能
ゴリラの知能は霊長類の中でチンパンジーに次いで高いです。
動物の知性を測る指標として脳化指数というものがあり、数値化するとゴリラは人間の1/4程度の知能があると言われています。
ゴリラよりも知能が高い野生の動物は一部のサルやイルカくらいで、ゴリラほど力が強く頭も良い動物は陸上にいません。
力が強いだけでなく頭も良いというのが、最強と言われる2つ目の理由です。
凄まじい筋力
ゴリラが最強だと言われる最後の理由が、パッと見て分かる筋力の強さです。
ゴリラは余計な脂肪が一切無く、全身がもれなく筋肉です。背筋力はなんと400kgを上回ります。
背筋といえば強いパンチを打つために必要な筋肉です。そんな強靭な背筋を持つゴリラのパンチ力は、推定2〜5tだと言われています。
全身筋肉なので目立った弱点もなく、攻守共にバランスが取れているのが最強たる所以です。
実際ゴリラは最強ではない!最強を否定する3つの問題
前章でゴリラが最強といわれる理由を3つ紹介しましたが、残念ながら実際ゴリラは最強にはなれません。
ゴリラが最強になれない3つの理由を解説します。
重量の問題
ゴリラよりも大きくて重い生き物は沢山います。
そういった自分よりも大きく重たい相手に対して、ゴリラには勝ち目がありません。
そもそも重量というのは、戦いの優劣に深く関わる要素です。
多くの格闘技がウエイトごとに階級分けされているのも、単純に重量がある方が強く、無差別にすると勝負にならないからです。
ゴリラ | 220kg |
サイ | 1.5t |
カバ | 3t |
アフリカゾウ | 10t前後 |
上記表を見ると、ゴリラのウエイトがどれだけ軽いかが分かりますね。割愛していますが、ゴリラより重い動物はまだまだ沢山います。
最強になるためには、まずウエイトが少なすぎるのです。
戦い方の問題
同じ80㎏の力でも、噛むのと握るのではダメージが違いますよね。いくら握力や筋力が凄まじかったとしても、野生の戦いでは噛みつきや引っ掻きの方が致命傷になります。
また、そもそもゴリラはパンチをしません。メインの攻撃方法は体当たりや取っ組み合いです。対してワニやカバは1tの力で遠慮なく噛み付いてきますし、トラは鋭利な爪を突き立てて肉を裂いてきます。
それらの攻撃以外にも毒という強力な攻撃方法があります。ブラックマンバという3mほどの蛇は、強力な毒を持っているだけで最強の動物に名を連ねています。
ですがもちろんゴリラは毒なんて持っていません。ゴリラは筋肉量こそ凄まじいものの、決定打に欠ける攻撃しかできないのです。
高い知能ゆえの問題
ゴリラは知能が高いので、戦いを避けて逃げることもあります。また肉食でもないですし好戦的でもないので、食うか食われるかの死闘にも慣れていません。
さらにストレスにも弱いので、メンタル面にも不安があります。ドラミングも実は威嚇ではなく精神安定などの目的でやっており、とても繊細な生き物なんです。
森の賢者とも呼ばれる頭の良いゴリラは、そもそも野生動物との争いに向いていません。知能が低く目に映るもの全てを壊すバーサーカーだったなら、もしかすると結果は違ったかもしれませんが・・・
【おまけ】そもそもゴリラって霊長類最強なの?
本記事をここまで進行してきましたが、そもそもゴリラは我々霊長類を代表する実力を持っているのか考えてみましょう。
実際にGoogleで「霊長類最強」と検索をしてみます。結果は以下の通りです。
世界一の検索エンジンは霊長類最強がゴリラでは無く、女子レスリングでお馴染みの吉田沙保里氏だと判断をしています。
よって霊長類最強はゴリラでは無いということです。・・・というのはもちろん冗談です。
昔であればギガントピテクスという生物が霊長類最強「だった」と言われています。すでに絶滅しているため、ゴリラの不戦勝です。
現在の霊長類最強はゴリラで間違いないのでご安心ください。
【結論】ルール有りならゴリラは最強
以上でゴリラが最強と言われる理由と、実際最強になり得ない理由の解説を終わります。
どうしてもゴリラを最強にしたいのなら、ルールを決めて戦いではなく「試合」をすると良いでしょう。
ルールを理解する知能を持ちつつ強靭な肉体を持つゴリラは、確実にチャンピオンになります。
本記事がゴリラ好きの皆様の参考になると幸いです。