最近SNSなどで多用されているこの「なんよ」って語尾、見るとイラッとする人も多いのでは?
筆者もなんだかこう…形容しがたいイラつきを感じてしまうのですが、理由を言語化できないのに一方的に批判するのはよくないですよね。
というわけで本記事では、一週間じっくり分析した「なんよ」がウザいと感じる理由や、なぜ流行ったのかその背景などを解説します。
目次
「なんよ」がウザいと感じる3つの理由
「なんよ」がウザいと感じる理由としては、以下の3つが挙げられます。
- さも面白いことを言っているかのように使っているから
- 無理やり使っていて「そうじゃない感」が凄い
- 主観による決めつけがムカつく
パッと見ても意味わかりませんよね。以下よりそれぞれについて語っていこうと思います。
さも面白いことを言っているかのように使っているから
「なんよ」がウザいと感じる1番の原因はコレだと思います。
詳しくは後述しますが、「なんよ」という語尾が流行ったのは、お笑いコンビ『千鳥』による影響が大きいです。
『千鳥』といえば、10本を超えるレギュラー番組を抱える人気芸人。独特の言い回しを「〜〜なんよ」「〜〜じゃ」という岡山の方言で装飾しているのがやけに頭に残りますよね。しかもほとんどの発言がキレキレで面白いです。
そのようなことから、多くの人は日常生活の中で「〜なんよ」という言葉を聞くと=面白いはずだと期待してしまうのではないでしょうか。
そして悲しきかな、当たり前ながら一般人の多くは千鳥より面白くありません。
なのにも関わらず、「なんよ」を使う人の多くが「どうだ?面白いだろ?」というスタンスで使っているように思います。
高い期待値に対して、それを下回っていることで「つまんないくせに面白ぶるなよ」と感じてしまうのがまず一つ目の理由です。
(YouTuberコラボに対して)混ぜるな危険なんよww
無理やり使っていて「そうじゃない感」が凄い
「なんよ」がムカつく二つ目の理由は、面白くもないうえに共感も得にくい場面で無理やり使われているからです。
たとえば面白くなくとも、その発言が的を得ていた場合はイラッとせずに感心すると思います。
俗に言う「上手いこと言ったな」って状態ですね。
逆に話が噛み合わなかったり、ちょっと感性がズレていたりする人と話すと、多少なりともイラッとするでしょう。
「なんよ」がウザいと感じる2番目の理由の根源たるのがこの部分です。
ネット上に溢れる「なんよ」の多くはつまらないうえに、「おぉ、たしかに!」と感じるような発言でもありません。
わざわざ言う必要ある?なに言ってんの?という“そうじゃない感”があることも、「なんよ」がウザいと感じる理由のひとつです。
(コント動画で多くの人がネタを褒めるなか)俺の寝起きにソックリなんよww
主観による決めつけがムカつく
主観による決めつけって、それ自体がちょっとイラッとするものです。
「お前ってこういう奴だよな」って言われ方をすると、ちょっとカチンときませんか?
さらに、それが自覚していないようなことだと、真偽はどうであれ尚更ムカつくでしょう。
たとえば「デニム似合わなくない?」と「デニム似合わないよ」だと、後者のほうがムカッとくるという人が多いと思います。
「なんよ」のなかにはそのような、主観によって決めつけた言い方をしているものがあります。
人によって意見が異なるはずなのに、それが正解だと言わんばかりの言い方をしているのが、「なんよ」がウザいと感じるひとつの原因です。
(パロディに対して)これはもう本家超えたんよww
そもそも「なんよ」とはどういう意味?
「なんよ」自体の意味は「なんだよ」(なのだよ)と同義です。
単純に「なんだよ」から「だ」を抜いたのが、「なんよ」になると考えてよいでしょう。
基本的には西日本寄りの県でよく使われる言い回しのようですが、埼玉の一部地域でも使われているそうなので、方言としての分布は広いと言えます。
個人的に、方言には標準語の名残すらないものと、標準語と少しだけ異なるのもの。その2種類があると考えています。
「なんよ」の場合は後者、そのなかでもとくに標準語と差が少ない言い回しでしょう。
標準語の名残が濃く残っているからか、「地方出身者じゃないのに方言を使いやがって!」という方向でイラつきを感じている人は、ほぼいないのではないでしょうか?
なので上で紹介した3つの理由においても、「地方出身じゃないのに方言を使っているから」というものは除きました。
「なんよ」が流行った背景
本稿の最初のほうでチラッと書きましたが、「なんよ」が流行ったのは芸人の千鳥による影響が大きいです。
前述の通り、千鳥といえば多くのレギュラー番組を抱える人気の芸人。件の「なんよ」は、ツッコミ(?)のノブさんがよく使う言い回しです。
そしてレギュラーが多い=その面白さを目にする機会も多いということ。たくさんの人の目に止まって、大勢が真似をしだしたことで、「なんよ」という言葉が一気に普及したのでしょう。
とくに、YouTubeやTwitterなどのSNSでは、投稿そのものに加えて「投稿に対するコメントを読む」という楽しみ方も一般的です。
千鳥による一次発信だけでなく、そういった拡散力のある場での二次発信も多かったことで、「なんよ」を使う人が増えたのだと考えられます。
もしかしたら気付かぬうちに他人をムカつかせてる…?
以上で「なんよ」についての分析を終わります。
本記事では「なんよ」をウザいと感じる目線に着目しました。ですがもちろん、全ての人が「なんよ」をウザいと思っているわけではありません。
こんな細かい言い回しひとつで賛否が別れるとは、日本語という言語の複雑さを感じますね。
実際にアメリカ国務省の外務職員局(FSI)によると、日本語の習得は世界でもトップクラスで難しいと発表されています。[注1]
世界基準でみて複雑な言葉だからこそ、一つひとつの単語や言い回しに気を使う必要があるのでしょう。
もしかしたら皆さんも、気付かぬうちに他人にとって不愉快な言葉を使っているのかもしれないです。もちろん筆者も他人事ではありませんが…
いらぬトラブルを招かないように、一度自分の言葉遣いをチェックしてみるのもいいかもしれませんね。