悩んでいるのに、それを周囲に打ち明けられない人っていますよね。
周囲の人は話してほしいと思っているのに、頑なに悩みを言いたがらないのは何故なのか…
しかし、悩んでいる本人は意固地になっているわけではなく、色々と考えた末に「言わない」という選択をしたのかもしれません。
本稿では悩みを他人に言いたくないという人の心理傾向や、解決策について紹介します。

悩みを言いたくない人の3つの心理傾向
悩みを言いたくない人の心理傾向として、3つのパターンが挙げられます。
- 現状維持
- 疑心暗鬼
- 自己陶酔
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
現状維持
悩みを人に言いたくない心理として、いちばん多いのがこの「現状維持」です。
悩みを他人に打ち明けると、相談された人は一緒に悩んでくれたり、アドバイスをくれたりしますよね。
そのように、悩みを打ち明けたことによって状況や他者の行動を変えてしまうのを恐れており、結果として何もしないことを選びます。
もちろん、悩みを打ち明けた後の変化はネガティブなものばかりではありません。
しかし現状維持を望む人はプラスマイナスかかわらず、悩みを言うことで訪れる変化を回避したいと考えているのです。
変化に順応するためには、少なからず本人も時間や労力を費やす必要があります。
その変化に伴い必要なコストを嫌がって、悩みを言いたくないと考えるのです。
疑心暗鬼
悩みを言いたくないのは、疑心暗鬼に陥っているからなのかもしれません。
- 相談した人が周囲に広めるかもしれない
- 余計なことをして悪化させるかもしれない
- 自分のことを嫌いになるかもしれない
そのように悪い展開ばかりを考えてしまい、誰にも相談しないことを選びます。
現状維持が「誰にも言わなければ良くも悪くも変わらない」とするならば、疑心暗鬼は「誰にも言わなければ少なくとも悪化することはない」といったところでしょう。
また、疑心暗鬼に陥っている人の難しいところは、何をしてもネガティブに反応してしまうところです。
「話を聞くだけだから」「誰にも言わないから話してみて」と伝えても逆効果で、距離を置かれてしまいます。
相手が疑心暗鬼に陥っていると、とくに悩みを引き出すのが難しいでしょう。
自己陶酔
自己陶酔に浸っていて、悩みを言わない可能性も考えられます。
悩みを抱えて憂いている自分が好きで、わざと悩みを解決しないでいようとしているのです。
自己陶酔には悩みがあることを周囲にアピールする人と、悩みを解決させないために周囲に言わない人の2種類がいます。
どちらにしても解決させる気がないので、他者に対して具体的な相談をしたり、アドバイスを求めたりしません。
また「悩んでいる」としているだけで、実際のところそこまで悩んでいないという可能性もあります。
そもそも悩んでいない場合は、悩みを聞き出すことなんてできませんよね。
人に悩みを相談できない5つの理由
潜在的な心理傾向とは別に。悩みを言えないことには具体的な理由があります。
大きなものとしては以下の5つです。
- 人に弱みを見せたくない
- 相手を悩ませてしまうことが心配
- 悩みを否定されるのが怖い
- どう話していいかわからない
- そもそも知人に言える内容じゃない
人に弱みを見せたくない
悩みを言いたくないのは、他人に弱みを見せたくないからかもしれません。
弱みを見せたくないと思うことをさらに細分化すると、下記のようになります。
- 弱みにつけ込まれそうで不安
- 情けない一面を知られたくない
- 弱点を悪用されるかもしれない
このように弱みを見せることによる悪い影響ばかりが気になって、自分の奥底に悩みを閉じ込めてしまうのです。
相手を悩ませてしまうことが心配
悩みやすい人ほど心根が繊細です。そして繊細すぎる人の場合、悩んでいる自分自身でなく、相談された人が嫌な気持ちにならないかを心配します。
愚痴や相談をした後に、「ごめんねこんな話をしちゃって」なんて言う人がいますよね。
その感覚が極まると相手を悩ませてしまうのが嫌で、そもそも相談すること自体を避けるのです。
悩みを否定されるのが怖い
悩んでいる=弱っていると考えた時、できる限り人から優しくされたいもの。
そんな状況で、励ましてもらうために悩みを相談したのに、悪い意味で予想だにしていないことを言われたら驚きますよね。
内容が否定やお説教だったら、驚くどころか嫌に感じるでしょう。
そのように、相談したことで人から否定されるのが怖くて相談できない人もいます。
自分にも少し負い目がある悩みを抱えていたときに多い理由です。
どう話していいかわからない
悩みそのものを言語化できず、「人に伝える」という行為を諦めてしまう人もいます。
そういった方は、「よくわからないけど嫌だ」「なんだかモヤモヤする」という漠然とした悩み方をしているのです。
他人が言葉を引き出して整理し、代わりに言語化できるとスッキリするのですが、そこまで進めるのが難しいでしょう。
どうせ説明できないと諦めて、そのまま悩みを抱え込んでしまいます。
そもそも知人に言える内容じゃない
もしかすると、そもそも他人に言えるような悩みじゃないのかもしれません。
- 借金で首が回らない
- 浮気をしてしまった
- 犯罪に関わってしまった
そのようなキツめの悩みを知人に言うと、また別の知り合い拡散されたり、知人が離れていったりする懸念があります。
そういったリスクを恐れて、切羽詰まっている状況にも関わらず相談ができないのです。
逆に、全く面識がない第三者相手であれば簡単に相談できてしまうというケースもあります。
相談相手さえ選べば解決するので、5つの理由のなかにおいては解消しやすいものだといえるでしょう。
【本人向け】悩みを言いたくない時の解決策
極論、悩みを言いたくないのであれば無理して言う必要はありません。
ただ自分の健康に悪影響を及ぼしたり、業務や学業に差し支えたりなど、自分の心の中だけで完結しない場合は改善を図るべきです。
そして、悩みを解消するのが自分一人の力だけで難しい時は、誰かに相談したり助力を得たりする必要があります。
まずは悩みの傾向について分析して、最適な相談先を考えてみましょう。
・知人に言っても問題ない悩み⇒信頼できる「友人」や口の堅い「知人」
・知人に言いたくない悩み⇒カウンセラーや占い師など「第三者」

【知人向け】悩みを言いたくない人への対処法
「悩んでいる人を助けたい」と考えている人が注意すべきなのが、悩んでいる人と同じ目線に立てるかどうかという点です。
たとえば、頑張っているのにモテないことを悩んでいる人に対して、生まれついてのイケメンや美女が何を言っても響きません。
悩んでいる人からすると、自分と同じ気持ちを味わったことがない人、もしくは境遇を想像できないような人の意見ほど、薄っぺらいものはないのです。
自分と違う立ち位置の人が何を言っても、それはアドバイスになってしまいます。
悩みを自ら吐き出せる人であればアドバイスを求めていますが、吐き出せないような人はアドバイスなんて求めていません。
よって同じ目線に立てないならば、そもそも相談相手として適していないといえます。
また同じ目線に立てる確証があるのなら、相手の話を引き出す前に自分の話をするのもおすすめです。
人間誰しも、自分の気持ちがわかって賛同してくれる人を好むもの。
同じ感覚を共有できると判断できたら、悩みを打ち明けてくれる可能性がグッと高まります。
そして同じ立場に立つのが難しいならば、知り合いで同じ境遇の人を探して紹介するのもひとつの手です。
悩みを言いたくないと考える人が求めているのは目上からのアドバイスでなく、共感や同調であると覚えておきましょう。
悩むことは人生を豊かにさせる
何かに悩むことはマイナスではありません。
一つひとつのことを悩み考え抜いて生きるのは、何も考えずに生きるよりもずっと有意義だといえます。
しかし、悩み続けることが精神衛生上良くないこともたしかです。
悩みを抱えるのが自分でもそうでなくても、機会があれば解決するために動き出すことを意識しましょう。
