テニスの王子様における校内ランキング戦は有益か?結果とともに考察!

テニスの王子様の校内ランキング戦は有益か?結果とともに考察! 職人の暇つぶし
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筆者は最近Huluで、テニスの王子様を観ました。

元職人Y
元職人Y
もっぱら漫画派だったのですが、改めて観るとアニメも十分面白かったです。約10年前の作品といえど侮れませんね…!

ただ観ているなかで気になったのが、主人公の越前リョーマが所属する青春学園テニス部における、レギュラーを選定するための「校内ランキング戦」の存在意義についてです。

この校内ランキング戦は、部にとって果たして有益なのかどうかという視点で解説していきます。

テニスの王子様(テニプリ)における校内ランキング戦とは?

校内ランキング戦とは、部員を4ブロックに分けて総当たり戦をおこない勝率の良い8名を選抜するという、青春学園におけるレギュラー選定のためのシステムです。

各ブロックで2名分しかない枠を奪い合うこととなり、「全勝の1名」「1敗しかしていない1名」の上位2名がレギュラー確定となります。

元職人Y
元職人Y
よって2回負けてしまった時点でレギュラーになれないことがほぼ決定してしまいます。結構シビアなシステムですよね…!

各ブロックの割り振りは青学テニス部部長である手塚国光が決めており、手塚目線で公平になるよう設定されています。

ではこの校内ランキング戦が今までどういった結果をもたらしてきたかを、次章にて紹介します。

校内ランキング戦の結果一覧

作中で校内ランキング戦が確認できるのは、「都大会前」「関東大会前」「全国大会前」の3回です。

校内ランキング戦によるレギュラー選抜の結果を以下に記載します。

タイミング レギュラー結果 レギュラー落ち
関東大会前 手塚(A)、大石(A)
菊丸(B)、桃城(B)
不二(C)、河村(C)
海堂(D)、越前(D)
乾(D)
都大会前 手塚(A)、乾(A)
河村(B)、海堂(B)
不二(C)、菊丸(C)
大石(D)、越前(D)
桃城(A)
全国大会前 大石(A)、河村(A)
桃城(B)、海堂(B)
菊丸(C)、乾(C)
手塚(D)、不二(D)
越前(B)
※アメリカでの全米オープン
参加のため辞退

()内は割り振られたブロック

本来1年生は9月頃から校内ランキング戦に参加するため、通常であれば青学テニス部の固定レギュラーが変動することはなかったでしょう。

ただリョーマが特例で初期から参加したことで、上記のような以前レギュラーだったのに外れてしまう「レギュラー落ち」という枠がでてきてしまいます。

ここまでを踏まえて、次は校内ランキング戦のメリット・デメリットをみていきましょう。

校内ランキング戦システムのメリット

校内ランキング戦システムのメリット

校内ランキング戦を実施するうえで考えられるメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 緊張感をもって切磋琢磨できる
  • 完全なる実力重視でレギュラーを選定できる
  • レギュラー以外の意識向上につながる

緊張感をもって切磋琢磨できる

ランキング戦があることで、レギュラー陣は「うかうかしているとレギュラーの座から降ろされる」という緊張感のもと、日々の練習に熱量をもって取り組むことができます。

またシステムの都合上どうしても現レギュラーのうち一人と当たるため、どんな相手でも勝ちたいという貪欲な精神も鍛えられるでしょう。

校内ランキング戦によって、レギュラーの意識が高まるのは間違いありません。

完全なる実力重視でレギュラーを選定できる

「3年生はもうすぐ引退だから」「普段裏方を頑張っているから」など、現実の部活動では実力や試合の実績以外の面を考慮して、レギュラーが選ばれることがあります。

ただ校内ランキング戦であれば完全に実力重視であるため、純粋に強くなればレギュラーになれるのです。

実力主義で全員に平等にチャンスがあるというのは、確実に校内ランキング戦のメリットだといえます。

レギュラー以外の意識向上につながる

レギュラー陣が緊張感をもって切磋琢磨できると上述しましたが、レギュラー以外の部員も同様です。

レギュラーでない部員からしても、頑張ればレギュラー入りができるということが校内ランキング戦システムによって明瞭に見えているため、部活動に対するモチベーションを高められます。

自然と全員が切磋琢磨できる環境になるため、部全体の底上げにもつながるでしょう。

校内ランキング戦システムのデメリット

校内ランキング戦システムのデメリット

前章に対して、校内ランキング戦を導入することには以下3つのデメリットが考えられます。

  • 割り振りの時点でレギュラー落ちが決まる
  • 過剰なライバル心により軋轢がおこる
  • ダブルスが回らなくなる危険がある

割り振りの時点でレギュラー落ちが決まる

ブロックの割り振りによっては、組まれた時点でレギュラー落ちが決定してしまう場合もあります。

たとえば手塚・不二・大石が同じブロックだった場合、実力順でいけば大石がレギュラー落ちする可能性がかなり高いです。そしてそれは、割り振りをみた瞬間に誰しもがわかるでしょう。

そのように、割り振りの時点でレギュラー落ちの可能性が出てしまう点は、校内ランキング戦のデメリットだといえます。

また、手塚・不二・越前が同じブロックになった場合は、TOP3の実力者のうち誰かがレギュラー落ちしてしまうというもったいない現象が起こってしまいます。

現に作中でも、初期設定で手塚と不二に次ぐ実力の持ち主とされていた乾が、越前と海堂に敗れてレギュラー落ちをしました。

そういったもったいない現象も発生するのが、校内ランキング戦システムなのです。

過剰なライバル心により軋轢がおこる

校内ランキング戦によって誰にでもチャンスがあることは、良いことでもあり悪いことでもあります。

青学テニス部は良心的な人が多いため大丈夫でしたが、現実ではライバルのラケットを壊したり、普段の練習でわざと怪我をさせたりなど妨害をする悪い輩もいるかもしれません。

そのように殺伐とする危険性があることは、校内ランキング戦のデメリットだといえます。

実際に青学2年の荒井がリョーマのラケットを隠したり、怪我人が増えていることを「今がチャンスだ」と喜んだりする描写が作中にあります。そういった本来なかったはずの軋轢は、部員の精神衛生上避けたいところでしょう

ダブルスが回らなくなる危険がある

ブロックの割り振りによっては、シングルス特化の選手ばかりが残って団体戦のダブルスが回らなくなる危険性があります。

青学にはとくに、ゴールデンペアと評価される大石・菊丸の名コンビがいるため、どちらかがレギュラー落ちしたら大幅にダブルスが弱体化してしまうでしょう。

かといって、「大石と菊丸はレギュラー落ちの危険性がないブロックに入れる」なんて忖度をしてしまうと、校内ランキング戦に本来あった平等性が失われます。

安定感のある団体戦オーダーを組みたいのなら、校内ランキング戦のような時の運に委ねるような決め方は適していないでしょう。

校内ランキング戦を採用している実在の高校

ここまでテニスの王子様に登場する校内ランキング戦について紹介してきましたが、実際に校内ランキング戦を採用している学校が複数あります。

  • 海星高等学校(長野県)
  • 川越高等学校(埼玉県)
  • 西乙訓高等学校(京都府)

上記以外にも多々ありますが、ここでは3校にフォーカスして紹介します。

海星高等学校(長野県)

長野県の海星高等学校は、高校テニス界において強豪校として有名です。同校のテニス部が運営するブログでは、校内ランキング戦を練習メニューとして組み込んでいることが確認できます。[注1]

校内ランキング戦の結果でレギュラーが決まるかどうかまでは確認できませんでしたが、強豪校も採用しているということは、有益なシステムであることの裏付けだと判断できるでしょう。

[注1]海星高等学校テニス部|ランキング戦

川越高等学校(埼玉県)

埼玉県の川越高等学校においても、校内ランキング戦を導入しています。

以下、引用にて同校のランキング戦システムを紹介します。

本校はシングルスの順位が存在し、5人ずつグループ分け(A、B、C…I)しています。
年に何回か全員で定期的に行う部内戦がありますが、おそらく本校独自の取り組みなのは“チャレンジ形式”の部内戦です。

システムはこうです。
◎下位選手(チャレンジャー)は、自分の所属グループの1つ上のグループの選手に試合を申し込むことができる。
◎試合を申し込まれた選手は、申し込みを断ることは出来ない。2週間以内に試合を行う。
◎試合をしてチャレンジャーが勝利すれば、その対戦相手の1つ上の順位に昇格できる(食い込める)。
◎同一対戦は、1ヶ月間行えない。

たとえば、
Cグループ3位の選手はBグループ1~5位の5人とC1位・2位の計7人に申し込む権利があります。
常に全員が意欲と実力次第で1年中昇格できるシステムというわけです
チャレンジャーはもし敗れても、また別の人に申し込むチャンスがあります。
また、試合を全くしない人は、どんどん下から昇格して来る人に割り込まれて、勝手に降格してしまうのです。

引用:埼玉県立川越高等学校 硬式テニス部|部内ランキング戦!

独自のランキング戦によって序列を明確にしており、上位者へのチャレンジ精神を高めています。

ただ、同校に関してもランキング戦をレギュラー選定の基準としているかは、確認できませんでした。

西乙訓高等学校(京都府)

京都府にある西乙訓高等学校のテニス部でも、校内ランキング戦の存在を確認できました。

2つのリーグに分けて、男女混合で試合をします。普段から一緒に練習しているチームメイトだからこそ、相手の弱点をしっかりと把握しています。練習時とは違う緊張感の中で、この1年の成果を発揮しようとボールに食らいつきます。
全試合が終わったあとは、自分の弱点に向き合い、克服しようと自主練に励みました。

引用:京都府立西乙訓高等学校|部活動 テニス部

プレイスタイルを把握している部員同士で定期的に試合をすることで、普段の練習から弱点が克服できるようにしています。

ただこちらに関しても、レギュラーを選抜する判断材料として校内ランキング戦を使用しているという表記はありませんでした。

【結論】校内ランキング戦システムは部にとって有益なのか?

【結論】校内ランキング戦システムは部にとって有益なのか?

結論としては、校内ランキング戦システムにはデメリットだけでなくメリットもあるため、実施すること自体は有益であるといえます。

ただ校内ランキング戦の結果によってレギュラーを決定するというのは、現実的に考えて難しい部分が多いでしょう。

実際に校内ランキング戦を採用している学校はいくつかあるものの、全ての学校が校内ランキング戦の結果でレギュラーを決定すると記載してはいませんでした。

テニスの王子様に登場した校内ランキング戦システムは、「レギュラーを選定する際の判断材料のひとつ」程度として活用するのがベストなのかもしれませんね。

この記事を書いた人
元職人Y

神奈川県横浜市生まれの30代前半の男
5年ほど型枠大工として活動
玉掛けやクレーン操縦など、現場職に必要不可欠な資格を多数保有
現在はWeb系の仕事へ転身し、建設業についてのリアルな情報を発信して認知度向上とイメージ改善に努める

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