職人の人間関係は超複雑!意外なドロドロ人間模様を実体験を基に解説

職人の人間関係は超複雑!意外なドロドロ人間模様を実体験を基に解説 職人コラム
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豪快で爽やかなイメージが強い職人ですが、実際に働いてみると人間関係が複雑で嫌になることも多くあります。

かくいう筆者も、型枠大工という職人を数年やって親方手前までいきましたが、最終的に辞めた理由のひとつは人間関係によるものです。

職人の人間関係は体力面や収入面といったものよりも深刻な問題であり、多くの方がそれを理由に辞めていきます。

現場作業員ではなぜ人間関係で悩むことが多いのか、本記事で詳しく解説します。

【大前提】職人はサッパリした人が多いわけではない

ドラマや映画などでは、豪快で竹を割ったような性格の男らしい職人さんが描かれることは多いですが、実際はそんなことありません。

むしろネチネチした女々しい人も沢山いて、班員同士距離感が近い分、一般企業よりも人間関係に苦しめられる場合もあるでしょう。

そもそも職人だからといって、男らしい人が多いわけではないのです。

すぐ言い訳をする子供っぽい人や、考えが凝り固まって悪い意味で頑固な人など沢山いて、そういった方々と関わることで人間関係に悩むことが多くあります。

人間関係を悪化させる人10パターン

人間関係を悪化させる人10パターン

本章では筆者が実際に経験した、人間関係を悪化させる職人の性格パターンを10個紹介します。

年齢ゆえに考え方が凝り固まっている

職人でよくいるのが、新しいものや人を受け入れられない悪い意味で頑固な人です。

新しい道具や工法を邪道だと決めつけて取り入れず、今の若い人=軟弱だと歪んだ先入観を持っています。

それらの琴線に触れるとすぐ面白くない顔をして、横柄な態度をとってくることもあるので要注意です。

敵を作らなければ満足できない

文句を言うための対象を用意しておきたがる人もいます。

ちょっとしたミスをした監督をその後もズルズルと責めたり、現場に出ない親方の陰口を言ったり、誰かしらの悪口を言っていないと落ち着かないのです。

そういった人と一緒にいても精神衛生上良くないですし、自分も賛同してしまうと仲間認定されてしまって、トラブルの際に巻き込まれます。

ぶつくさ言っているのが職人気質だと勘違いしている人に多いです。

怒鳴る=正義だと勘違いしている

また、すぐに怒鳴るのが大正義だと勘違いしている人も多くいます。

怒鳴って注意する=仕事ができると思い込んでいて、大きな声を出す気持ちよさも相まって仕事の出来と関係ない変な自信が付いてしまうのです。

もちろん、大した理由もなく怒鳴られた方は面白くないですし、それによって喧嘩に発展することも多くあります。

怒鳴る必要が無いことに、本人でさえ気づいていない面倒なケースです。

「俺が若い頃は~」と過去を引きずる

「俺が若い頃はすぐ殴られた」「昔の現場はこうだった」と、昔ながらの価値観を押し付けてくる存在もいます。

そういった昔ながらの価値観が大切な場面もありますが、時代とともに教育方法や社会方針は変わっているため、それを全て押し通すのは不可能です。

今を生きてきた若者と差が出ることでトラブルにつながるため、昔語りをする昔に捉われた人には注意しましょう。

金銭トラブルを呼ぶor巻き込む

お酒、たばこ、ギャンブル、女性・・・

これらは多くの職人が強く好むもので、同時にお金がかかるものでもあります。

筆者自身もギャンブルはしなかったものの、お酒とたばこ代はゾッとするくらいの額を毎月使っていました。

ですが周りにはお給料を貰った瞬間にギャンブルで溶かしてしまう方や、キャバクラなどで貢ぎ切ってしまう方も多くいました。

そして自分のお給料の範疇ならまだしも、他人に借りてまで我慢できない人もいます。

そういったお金にだらしない人による、金銭トラブルはものすごく多いです。

豪快と大雑把を履き違えている

ちょっとしたミスを気にしないのは「豪快」ですが、そのうち片付けるからと使った資材を乱雑に置くのは「大雑把」です。

そのふたつを履き違えている大雑把な人も厄介で、自分が豪快であると思い込んでいるため指摘するこちらを「細かいところを責めてくる敵」のように捉えます。

「使ったら片付けろ」のような正しいことを言っているだけなのに、トラブルに発展する場合もあるので注意しましょう。

同期・後輩の出世を妬んで邪魔する

職人の世界では、いかに早く親方デビューできるかがカギとなります。

正直言って40代まで使われる立場だと、一般企業でいう「出世し損ねた人」の扱いです。

そうならないために必死で仕事を覚えるのですが、稀に今の待遇に満足してしまって先に進まない人もいます。

そして自分が停滞するだけならまだしも、自分は研鑽していないことを棚に上げて同期や後輩が上に行くのを面白く思わない人も多いです。

筆者も先輩からそれが原因でのちょっかいを受けたことがあります。そのように、仕事の足を引っ張ってくるケースも珍しくありません。

少し学歴・育ちが良い人を軟弱だと思い込む

良い学校に行っている=現場仕事ができないと先入観を持っている人も多くいました。

以前先輩から「あいつ大学行ってたのによくできるなぁ」と言われたことがあり、そのときは「大学行っていたのと現場仕事ができるのって何か関係あるのかな?」と思ったものです。

ただそう思うだけならまだしも、そういった方々は心の底で多少相手のことをなめているケースが多くあります。

ちょっとしたことからトラブルになる可能性も高いので要注意です。

自分に教える能力が無いことに気づいていない

筆者が一番嫌いだったのが、教える能力が無いことを自覚せず若い子を潰してしまう人です。

一度筆者が任された若い子の面倒を、「俺に任せろ」といって横取りをした中年の職人がいました。

親方に言われて教えている姿を見ていると、余計な自分語りや雑談をしてロクに仕事を教えていません。

仕事について教えていないのに「自分で考えろ」と言ってほったらかし、いざ動き出したら動き出したで「勝手なことするな」と怒りだしました。

その際に割って入り「教え方が悪いですよ」と注意をすると、「普通は見て覚えるもんだ」と言って逆上したのです。

結局自分が悪いことを認めないまま、ついに新人が我慢できなくなりその人と揉めました。結果的に新人が辞めてしまったので、筆者としても後悔の残る記憶です。

劣等感ゆえに立場の弱い人を徹底的にいじめる

職人であることに多少の劣等感を抱いているからか自分より弱い人を見つけると徹底的にたたく人も、トラブルを呼び込みやすいです。

たとえば若くまだ仕事を知らない現場監督や、タイミングを逃して後から相談をしてくる設備業者などを相手にすると、普段の憂さ晴らしをするかの如くいじめます。

そういった肩は総じて、他業者とだけでなく身内とも揉めやすいため、注意しましょう。

職人相手の人間関係を良好にするためのポイント

職人相手の人間関係を良好にするためのポイント

では実際に職人であった立場から、職人を相手にした人間関係を円滑にするためのポイントを4つ紹介します。

【最重要】まず舐められないこと

職人のなかで生きるために筆者が最重要としていたのは、「舐められないこと」です。

もちろん威嚇したり脅したりするのではなく、「こいつ使えないな」と下に見られないようにするということです。

そのためには仕事に対して真面目であり、ミスを減らして練度を上げていかなければいけません。

「仕事に真面目でミスが少ない人」というポジションを獲得することが、職人と良好な関係を保つために最重要かつ大前提です。

遅刻・病欠を減らす

朝起きれなくて遅刻したり風邪をひいて病欠したりが多いと、軟弱だとバカにされます。

そもそも職人は当日に予定が狂うことが大嫌いなので、そういった人はどうしても嫌われてしまうのです。

病欠を無くすのは難しくとも、遅刻はゼロにできるよう心がけましょう。

仕事の理解度を深めて親方レベルの視野を持つ

また、仕事の話が通じずにイライラさせてしまうことも多くあります。

そんなとき親方目線で仕事を理解できれば、怒らせることなくむしろ「こいつ分かってるじゃん」と評価を得られるでしょう。

仕事についての理解度をあげることは業務自体はもちろん、人間関係を良好に保つことにも役立ちます。

絶対に見下さない

全ての業種に通ずることですが、とくに職人の場合見下すことは厳禁なので注意しましょう。

職人は自分たちが3Kと言われる仕事をしている自覚があるので、他人からの視線や言葉に敏感です。

少しでもそれが悟られた場合、そこから人間関係を良くすることは絶望的なので、よく気を付けてください。

現場仕事で人間関係に悩んだ場合の改善策

現場仕事で人間関係に悩んだ場合の改善策

職人同士での人間関係が悪化してどうしようもなくなった時の改善策を3つ紹介します。

親方・社長に相談して班を変えてもらう

まず一番最初の段階としては、親方や社長に相談して揉めている人との班を変えてもらうことです。

自分が移籍するか、もしくは相手に移ってもらうかで、少なくとも毎日顔を合わせることがなくなります。

ただ、朝に事務所集合した際や応援の現場に出た際には会ってしまうため、根本的な解決にはなっていません。

別の工務店に移籍する

人が多くいればいるだけ大きな現場を請け負うことができます。

よって基本的にどこの工務店も人材を求めているため、他の工務店に移籍するという手もあるでしょう。

実際に筆者も駆け出しのころ厄介な先輩がいた工務店を離れて、知り合いの工務店に移籍したことがあります。

班を変えるよりも圧倒的に揉めている人と会わなくなるのでおすすめです。

関連記事:職人を辞めたいと思う理由や感じる瞬間8選!辞め方まで徹底解説

ただ建設業界は狭いので、大きな現場だと隣の工区で鉢合わせるなんてこともあります。

二度と会いたくないという場合は、そもそも地域ごと変えることも検討しましょう。

【最終手段】職人を脱却する

最終的には職人を辞めることもひとつの選択肢です。

現場仕事でなくなれば、生活圏がかぶっていない限り相手と会うことはなくなるでしょう。

年齢的・社会的にまだ別職種に転向する余裕があるのなら、検討してみてもよいかもしれません。

自分に原因があるかも!見つめなおしてみよう

自分に原因が無いかもしっかりと確認しよう

仕事が絡む対人関係において、一方的に好かれたいなんて自己中心的で都合が良すぎます。

職人相手の人間関係がどうしてもうまくいかないなら、最悪の場合自分に原因があるかもしれません。

仕事はひたむきにやっているか?無意識に相手のことを見下していないか?など、自分を見つめなおしてみましょう

関連記事:職人が辛いのはなぜ?15の理由と意外な真実を元職人が暴露!

この記事を書いた人
元職人Y

神奈川県横浜市生まれの30代前半の男
5年ほど型枠大工として活動
玉掛けやクレーン操縦など、現場職に必要不可欠な資格を多数保有
現在はWeb系の仕事へ転身し、建設業についてのリアルな情報を発信して認知度向上とイメージ改善に努める

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