ロボット技術の発展や慢性的な人手不足により、今後衰退すると予想されている建設業界。
建設業界の末端で働くのが職人ですが、実際のところはその予想に反してまだまだ需要が高く、新工法による納期短縮化なども相まって忙しい日々に追われています。
そこで気になるのが、「建設業の職人は儲かるのか?」「金持ちになれるのか?」という点です。
【結論】職人って儲かるの?実態は…
結論から述べると、建設業の職人は一般職と比較すると稼ぎにくい仕事です。
ただ需要は高く、業界規模ゆえに動いているお金も高額なので、一定のラインを超えてしまえば一気に稼ぎやすくなります。

- 出勤日数によってお給料が変わり不安定
- ある程度の地位になってようやく日当2万円ほど
- 保険などを会社負担しているところがほぼない
これら要因もあるので、職人が稼ぐことは時が経つごとに難しくなっているといえるでしょう。
ただ、職人のなかにも羽振りの良い生活をしている人がいます。そういった人は親方や工務店の社長などといった、「使われる立場」を脱却している人です。
職人として稼ぎたい、お金持ちになりたいと考えるのであれば、「使われる立場」から「使う立場」になることを目指しましょう。
職人のなかでも「比較的稼げる」職種3選
「職人」とひとくくりにされた幅広い職種のなかでも、比較的稼ぎやすい業種があります。
大まかにいうと以下の3業種です。
- 躯体業者
- 内装業者
- 設備業者
上記3業種に共通する点は「ニーズが下がらない」ことと、「良い意味で属人化している」ことの2つ。

まず躯体業者ですが鳶や大工、鉄筋工などが挙げられます。そもそもこの業種がいないと建造物ができあがらず、人の手による現場合わせの作業なども多くあるため、今後も一定のニーズを保つことでしょう。
内装業者としては、ボード屋や造作大工などが挙げられます。こちらも躯体に合わせた施工や、手作業による調整を多く必要としているので、現在進行形で常に仕事がある状態です。
そして設備屋は電気屋や水道屋などです。インフラに深く関わる業種であるため、今後も欠かせない業種だといえます。
職人のなかでも「比較的稼ぎにくい」職種3選
稼ぎやすい業種がいる一方で、比較的稼ぎにくい業種もいます。
もちろん、工務店やゼネコンごとの単価によっても稼ぎにくさは変わるでしょう。ただ、以下の3業種はさまざまな要因によって稼ぎづらくなると言われています。
- 塗装業者
- 土木業者
- 解体業者
まず塗装業者に関しては、現状でも他の仕事と違った仕事のしづらさがあります。直接的に雨が降っていなくても湿気により仕事ができなかったり、パネルやサイディングの普及でそもそも塗装の出番が少なくなったりするためです。
また、一昔前は左官屋など手作業で均す技術がとても重用されていましたが、現代では便利な機器の登場により職人一人ひとりの腕前が軽視されがちになっています。

続く土木業者に関してはすでに重機など人力以外の出番が多く、余程狭い現場でない限りネコを使って土やセメントを運ぶといったこともありません。こちらも年々、職人一人ひとりのマンパワーが重視されづらくなっているといえます。
最後の解体業者ですが、こちらも規模の大きい現場では重機が主役であり、人の手でおこなうのは細かい解体ガラの搬出や、解体材の剥がし・分別などです。
型枠の解体においてはまだ需要が高いものの、そもそも解体作業自体が危険な場面も多々あるため、ロボットの介入が真っ先に検討されているとの噂があります。実際に型枠用ではないものの、各建設重機メーカーが解体用の遠隔操作ロボットを開発しており、解体工事に対して更なる安全性を求めていることが伺えるでしょう。[注1]

[注1]ブロック 無人化施工ロボット|GADELIUS
もちろん前述したとおり、全ての職人は共通して一定ラインを超えると儲けやすくなります。ロボットや危険性、属人化などはひとつの要素であり、比較的稼ぎにくさがあるというだけですので、あまり深刻に考えず問題ないでしょう。
職人が金持ちになるためにすべき2つのこと
職人が儲ける、そしてお金持ちになるためには意識すべきことが2つあります。
- いち早く「使う立場」になること
- 時間を有効活用すること
この2つについて、詳しくみていきましょう。
いち早く「使う立場」になること
まず使う立場になることですが、これは前述したとおり親方や社長といった立場になること。さらに言うと、仕事を貰う立場から、直接請ける立場になるということです。
建設業はそもそも施主からゼネコン、その次に工務店の社長や親方、最後に職人…という流れでお金が動きます。つまり儲けるためには単純に、早い順番でお金が手に渡る立ち位置にいくことが重要なのです。

親方や社長は請負で仕事ができ、現場で出た黒字の恩恵を強く受けられます。仕事をしっかりと覚えて技を磨き、請負で仕事ができるようになるのがまず一つ目です。
時間を有効活用すること
こちらも上述したとおり、職人は収入が不安定な仕事です。とくに悪天候によって突発的に休みになってしまうことが多いので、その休みになった日数の損失を如何に生産的に過ごして埋められるかが重要となります。
基本的には、同じ工務店の別の班が稼働している場合そこに混ぜてもらう、次に別の工務店に応援として呼んでもらうなどですが、状況によってはそれが難しい場合もあるでしょう。
そういった可能性を常に考えておき、普段からスポットでできる仕事を確保しておくことがおすすめです。

どの職種でも自分次第!目指せ大金持ち
長々と解説してきましたが、要するに職人として稼ぐためには真面目に仕事に取組み精進することが重要ということです。ダラダラやっていても儲かる…なんて甘くないので、精力的に仕事に打ち込みましょう。

職人として稼いでいきたいという人に、本記事が参考になると幸いです。